「小さな約束」●鶴紗視点
・
●まえがき●
たづまい・鶴紗視点。
付き合ってしばらく経った時期。
勝手に話し続けている梅と、それに呆れている鶴紗の忙しない胸中。
「たったそれだけ」の、ほのぼの話。
ひっさびさの新作です
作ったのは灼熱の夏前ですけど(´ω`)ハハッ
以下
超短編・拍手お礼・雑記の順です。
●
「お!鶴紗!なぁなぁ聞いてくれよ」
突然どこからともなく現れた まいは
ベンチで本を読む私の真横に、断りも無く どかっと座り
身体をこちらに捻って片腕を付き
私の目を真っ直ぐ見て、前のめりで話し始めた。
「さっき購買に行ったんだけど
噂に聞いてた新商品が入って無くてさ」
「ふぅん」
「でな、購買出たら梨璃達が居て……」
興味の無い私など置いてけぼりにして
自由気ままに自分が話したい事ばかり話している まい。
私は本を読んでいる最中だと分かっているだろう
邪魔だとは思わないのだろうか。
ふぅ、と肩で溜息をついて
どうせ止まらないだろう まいのお喋りを
上滑りしたまま聞いたフリを続けていた。
「うーん、この間食べたアレ、美味しかったんだけど名前忘れてさぁ」
アレ、なんて言われても私には全く分からない。
そんな事もお構い無しに
手を首の後ろで組んだり、胸の辺りで組んだりと
忙しなく色々な格好をしながら
気分をどんどん高揚させてペラペラと話し続ける。
私の呆れた表情を見ていないのか、わざと無視しているのか。
いつも まいは自分本位だ。
私は本を諦めて手放し、膝の上に置いて
ベンチに背を預けて腕を力無く投げ出した。
その時。
また身を乗り出して、ベンチ上に付いていた まいの手の小指と
私の小指がほんの少しだけ触れ合った。
本当に、触れているか触れていないか、その程度の接触。
話に上の空の私はすぐに気付いたものの
「それでさぁ、この間のあのお菓子が……」
絶え間なく語り続ける相手はちっとも気付いて無さそうだ。
いまだ一人で楽しそうに話し続ける まいに対して
呆れ過ぎて感情も無くなって来た私を
たったこれだけの触れ合いが現実に引き戻した。
こんなに僅かに触れている場所に意識が集中してしまう。
これだけの面積で分かるハズも無い
体温も。
心拍も。
温かい気持ちさえも。
全てが伝わって来る気がする。
どうせ、まいの事だ。
私が一人で居た状況を見て、こうして来てくれたのだろう。
私が本当に真面目に本を集中して読んでいたのなら
多分声を掛けたりしない。
考えてみれば私も、この本を真剣に読んでいたかと言われれば
単に他人に声を掛けて欲しく無くてやっていた部分もあった。
全てを見透かされているみたいで気恥ずかしくなる。
話は二転三転しながら、取り留め無く続いている。
今はどうやら先日話していた新規開店したスイーツ店の話題になっていた。
「な、あの美味しいデザート、一緒に食べに行こう」
『面倒』
「今度絶対連れて行くからな」
私が返事した意味は?
本当に聞いてないのかこの人は。
そもそも私達に「今度」「絶対」なんて未来の話は……
ああでも。
まい となら、訪れるかもしれない未来を想像したくなる。
ほんの少し、ワクワクしてしまう。
本当に不思議な人だ。
約束の話もそこそこに、そのデザートの事を想像して
目をキラキラさせている まいを見ていたら……
まだ小指の触れ合いすら全く気付いていない様子で
私だけがこうして、幸せになったり少しドキドキしているのが
とても馬鹿らしく思えて来た。
せめて触れ合いだけでも分からせてやろうと
ほんの少しだけ指を滑らせ、くっ付いている面を広げると
「ん」
それだけ、小さなため息の様にポツリ呟いて
まいは、小指を私の小指と絡ませた。
まるで、小指の約束をするかのように。
「今度、な」
『……うん』
たったこれだけ。
ほんの小さく触れている部分から、心に幸せが広がっていく。
何だか自分が、とても簡単な生き物の様な気がしてくるけれど。
目の前で、本当に幸せそうに笑う まいが居るだけで
満たされていく気がして。
こんなにも好きなのに、いつも更に好きにさせてしまうのだから。
まいは本当に、何もかもがズルい。
●fin.
●あとがき●
色々と考え過ぎな鶴紗と、天然ジゴロな梅。
ほんの少し触れ合った小指が気になって仕方ない
どうでも良いようなほのぼのラブラブ話。
こういう、些細な何かで振り回されるような
ちょっとした事を書いた話が管理人は大好きです(*´д`)
ま。
あとがきするような内容じゃないですし
お好きな場所で、服装で、動きで楽しんで下さいませ(短
●拍手お礼●
10/5、10/6、10/10
各日に1拍手!
6日は1日で3回もっ!
ありがとうございます、元気出ますっ_(:D」┌)⁼³₌₃ワァワァ♪
●雑記●
これまた大した話じゃないですし
管理人の個人的な事なので
興味の無い方は、ここで回れ右でお願いします。
今日は管理人の誕生日!でございます。
以上、終了~(´ω`)ノ
生まれてこのかた
あまり自分の記念日などをわざわざ語ったりしなかったのですけど
自分だけの特別な日ですし、折角ブログもsnsもやっているので
個人的に楽しむだけなら良いかなと思いますので
どーせ誰も見てませんし、好き勝手しております。
また歳食ってしまいましたが
ある程度の年齢を過ぎてしまうと
あとは殆ど年寄りのイメージで変わらなくなるし
そもそも自分の年齢を忘れてしまう(๑•̀ㅂ•́)و <アレ?
年齢を誤魔化そうとしているとか
マジボケしているという訳じゃ無くて
本気で幾つだったのか分からなくなるんですよね
こう、アンケートとか書いていると
生年月日は辛うじて覚えていても
年齢自体を忘れてしまって時々間違えてしまったり。
幾つになっても、精神年齢が全然進んでくれないので
年齢なんか飾りだよなぁと毎年思っております。
頭の中がずっとお子様なので、寛容な心で見て頂けたらと思います。
毎年毎年、誕生日に奇跡を期待し過ぎて
良い事も起こらないものですから
今年は自分からこの日を楽しもうと思っております。
楽しい日になれば良いなぁ。
今日の報告は後で下記にでも入れようかと(どうでも良い)
↑
……などと前日に書いていたものの
夜からずっと喉が痛くて危ないと思ったので
朝からお医者様にかかって
ドキドキしながら検査結果を待ったら
コロナでも何でも無かったのでラッキーでした。
ただの風邪をひくのは久々じゃのぅ。
栄養付けて、これからゴロゴロゆっくり休もうと思います。
風邪ひいたのは不運ですけど
感染力の高い症状じゃなくて良かったです
家人は超高齢者なもので。
誕生日に色々ありましたけど
結果オーライなので、幸せも不幸も紙一重だなーと
キラッキラの晴天を見ながら思いました。
出掛けたかったわぁ……
美味しいもの食べに行くのは後日にします
ホント、誕生日は普通の事が起きないなぁ(笑)
なんて思いながらツイッタ眺めてたら!
私の好きな「デキ猫」の諭吉と
同じ誕生日!だって!
うわ、これ一番嬉しいわっ!(単純)
おめでとうありがとう(*´д`)ハァハァ
・
●まえがき●
たづまい・鶴紗視点。
付き合ってしばらく経った時期。
勝手に話し続けている梅と、それに呆れている鶴紗の忙しない胸中。
「たったそれだけ」の、ほのぼの話。
ひっさびさの新作です
作ったのは灼熱の夏前ですけど(´ω`)ハハッ
以下
超短編・拍手お礼・雑記の順です。
●
「お!鶴紗!なぁなぁ聞いてくれよ」
突然どこからともなく現れた まいは
ベンチで本を読む私の真横に、断りも無く どかっと座り
身体をこちらに捻って片腕を付き
私の目を真っ直ぐ見て、前のめりで話し始めた。
「さっき購買に行ったんだけど
噂に聞いてた新商品が入って無くてさ」
「ふぅん」
「でな、購買出たら梨璃達が居て……」
興味の無い私など置いてけぼりにして
自由気ままに自分が話したい事ばかり話している まい。
私は本を読んでいる最中だと分かっているだろう
邪魔だとは思わないのだろうか。
ふぅ、と肩で溜息をついて
どうせ止まらないだろう まいのお喋りを
上滑りしたまま聞いたフリを続けていた。
「うーん、この間食べたアレ、美味しかったんだけど名前忘れてさぁ」
アレ、なんて言われても私には全く分からない。
そんな事もお構い無しに
手を首の後ろで組んだり、胸の辺りで組んだりと
忙しなく色々な格好をしながら
気分をどんどん高揚させてペラペラと話し続ける。
私の呆れた表情を見ていないのか、わざと無視しているのか。
いつも まいは自分本位だ。
私は本を諦めて手放し、膝の上に置いて
ベンチに背を預けて腕を力無く投げ出した。
その時。
また身を乗り出して、ベンチ上に付いていた まいの手の小指と
私の小指がほんの少しだけ触れ合った。
本当に、触れているか触れていないか、その程度の接触。
話に上の空の私はすぐに気付いたものの
「それでさぁ、この間のあのお菓子が……」
絶え間なく語り続ける相手はちっとも気付いて無さそうだ。
いまだ一人で楽しそうに話し続ける まいに対して
呆れ過ぎて感情も無くなって来た私を
たったこれだけの触れ合いが現実に引き戻した。
こんなに僅かに触れている場所に意識が集中してしまう。
これだけの面積で分かるハズも無い
体温も。
心拍も。
温かい気持ちさえも。
全てが伝わって来る気がする。
どうせ、まいの事だ。
私が一人で居た状況を見て、こうして来てくれたのだろう。
私が本当に真面目に本を集中して読んでいたのなら
多分声を掛けたりしない。
考えてみれば私も、この本を真剣に読んでいたかと言われれば
単に他人に声を掛けて欲しく無くてやっていた部分もあった。
全てを見透かされているみたいで気恥ずかしくなる。
話は二転三転しながら、取り留め無く続いている。
今はどうやら先日話していた新規開店したスイーツ店の話題になっていた。
「な、あの美味しいデザート、一緒に食べに行こう」
『面倒』
「今度絶対連れて行くからな」
私が返事した意味は?
本当に聞いてないのかこの人は。
そもそも私達に「今度」「絶対」なんて未来の話は……
ああでも。
まい となら、訪れるかもしれない未来を想像したくなる。
ほんの少し、ワクワクしてしまう。
本当に不思議な人だ。
約束の話もそこそこに、そのデザートの事を想像して
目をキラキラさせている まいを見ていたら……
まだ小指の触れ合いすら全く気付いていない様子で
私だけがこうして、幸せになったり少しドキドキしているのが
とても馬鹿らしく思えて来た。
せめて触れ合いだけでも分からせてやろうと
ほんの少しだけ指を滑らせ、くっ付いている面を広げると
「ん」
それだけ、小さなため息の様にポツリ呟いて
まいは、小指を私の小指と絡ませた。
まるで、小指の約束をするかのように。
「今度、な」
『……うん』
たったこれだけ。
ほんの小さく触れている部分から、心に幸せが広がっていく。
何だか自分が、とても簡単な生き物の様な気がしてくるけれど。
目の前で、本当に幸せそうに笑う まいが居るだけで
満たされていく気がして。
こんなにも好きなのに、いつも更に好きにさせてしまうのだから。
まいは本当に、何もかもがズルい。
●fin.
●あとがき●
色々と考え過ぎな鶴紗と、天然ジゴロな梅。
ほんの少し触れ合った小指が気になって仕方ない
どうでも良いようなほのぼのラブラブ話。
こういう、些細な何かで振り回されるような
ちょっとした事を書いた話が管理人は大好きです(*´д`)
ま。
あとがきするような内容じゃないですし
お好きな場所で、服装で、動きで楽しんで下さいませ(短
●拍手お礼●
10/5、10/6、10/10
各日に1拍手!
6日は1日で3回もっ!
ありがとうございます、元気出ますっ_(:D」┌)⁼³₌₃ワァワァ♪
●雑記●
これまた大した話じゃないですし
管理人の個人的な事なので
興味の無い方は、ここで回れ右でお願いします。
今日は管理人の誕生日!でございます。
以上、終了~(´ω`)ノ
生まれてこのかた
あまり自分の記念日などをわざわざ語ったりしなかったのですけど
自分だけの特別な日ですし、折角ブログもsnsもやっているので
個人的に楽しむだけなら良いかなと思いますので
どーせ誰も見てませんし、好き勝手しております。
また歳食ってしまいましたが
ある程度の年齢を過ぎてしまうと
あとは殆ど年寄りのイメージで変わらなくなるし
そもそも自分の年齢を忘れてしまう(๑•̀ㅂ•́)و <アレ?
年齢を誤魔化そうとしているとか
マジボケしているという訳じゃ無くて
本気で幾つだったのか分からなくなるんですよね
こう、アンケートとか書いていると
生年月日は辛うじて覚えていても
年齢自体を忘れてしまって時々間違えてしまったり。
幾つになっても、精神年齢が全然進んでくれないので
年齢なんか飾りだよなぁと毎年思っております。
頭の中がずっとお子様なので、寛容な心で見て頂けたらと思います。
毎年毎年、誕生日に奇跡を期待し過ぎて
良い事も起こらないものですから
今年は自分からこの日を楽しもうと思っております。
楽しい日になれば良いなぁ。
今日の報告は後で下記にでも入れようかと(どうでも良い)
↑
……などと前日に書いていたものの
夜からずっと喉が痛くて危ないと思ったので
朝からお医者様にかかって
ドキドキしながら検査結果を待ったら
コロナでも何でも無かったのでラッキーでした。
ただの風邪をひくのは久々じゃのぅ。
栄養付けて、これからゴロゴロゆっくり休もうと思います。
風邪ひいたのは不運ですけど
感染力の高い症状じゃなくて良かったです
家人は超高齢者なもので。
誕生日に色々ありましたけど
結果オーライなので、幸せも不幸も紙一重だなーと
キラッキラの晴天を見ながら思いました。
出掛けたかったわぁ……
美味しいもの食べに行くのは後日にします
ホント、誕生日は普通の事が起きないなぁ(笑)
なんて思いながらツイッタ眺めてたら!
私の好きな「デキ猫」の諭吉と
同じ誕生日!だって!
うわ、これ一番嬉しいわっ!(単純)
おめでとうありがとう(*´д`)ハァハァ
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