「欲望」梅視点(R15程度・閲覧注意)
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初めてシリーズ・梅視点。
まいたづ。
梅の欲望と、鶴紗の不安をお話に入れ込みました。
物語には なっていません
唐突に始まって、え?って感じで終わります
シチュエーションを楽しむシリーズなのでご了承を。
今回は致してます(* ´∀`)
あまり固有名詞を入れていないので、15禁程度としております。
想像力にお任せしますが、それなりに描写しているので
15禁程度の内容です(当社比)
苦手な方の閲覧注意
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お前とこうして居られるなんて想像した事も無かった。
自分が想像したコトなら何度も何度もあったけれど。
「これは、夢か?」
「……現実だ」
ふわりと優しく微笑んだ鶴紗。
さっきまで緊張して固くなっていたのはお前なのに
この台詞を聞いた一瞬で力が抜けてリラックスしたのが
絡めて握り繋いでいた手の緩みで分かった。
間接照明だけ付け、薄暗くしている自室の寝室で
ベッド横に鶴紗と二人、こうして向かい合って立っている。
「私は鶴紗に、こんな欲が無いと思ってた」
「だから……求めなかったんだよね」
「うん」
私はずっと鶴紗は
こういうコトを望んでいないと思っていた。
いつも、触れるだけのキスで終わるし
それ以上鶴紗も何もしないし何も言わないから
興味が無いか苦手なのかと思っていたからだ。
だからこれは夢なのかと正直勘ぐってしまう。
「大丈夫、なのか?」
それを聞いて良いのかどうか迷うけれど
無理強いする気など毛頭無いから……
「まいは、したいんだよね」
「もちろん。当然だろ」
「……だからだ」
「私のせいで無理する必要なんか無いんだぞ?」
「まいは私を甘く見てる。
私がまいをどれだけ好きか知らないだけだ」
そう言うと、私との距離を更に縮めた鶴紗の
柔らかい唇に覆われた。
ここまでは、いつもの感触。けれど……
覆われた口腔に、初めて侵入して来た舌が
私の口腔内をおずおずと探り出した事に驚いて
私は身動きが取れなくなった。
私の舌先を、窺うようにノックして絡められた
その感触に背筋がゾクリとする……
驚きで目を見開き、ぼやけた視界一杯に見える鶴紗の
至近距離にある目を瞑ったままの顔は
また現実から遠く離れた夢の様な光景に思わせる。
頭の芯が痺れ始めた時、名残惜しそうにゆっくり離れる唇は
「……私もまいが欲しい」
すぐ切れた糸の先で、色を含んだ台詞を囁く。
鶴紗を、欲の無い子供の様な扱いをしてしまっていた事を
たった今、後悔した。
「私も、ずっと鶴紗が欲しかった」
腕を取り、ベッドシーツの海へとダイブして、鶴紗を組み敷いた。
飛び込む瞬間、鶴紗の髪を結ぶリボンを片手で解くと
金色の髪が、その海で流れて広がる様が、息を飲む程綺麗だった。
今度は鶴紗が目を見開いて私をじっと見上げている。
「目、つむって」
至近距離でそう小さく呟くと
私に手首を取られた手を握り締め、子供の様にキュッと目を瞑る鶴紗。
そんな様子に、本当は怖いだろうに、やはり無理をさせている気がして
少しだけ良心が痛む。
優しく終わらせる事だって出来る、だけど。
覚悟を決めてここに居てくれている鶴紗に
私のありったけを与えてやりたいから
欲に塗(まみ)れたこんな私を、許せるのか試して欲しい。
「イヤなら、私の体のどこかを叩いて拒否してくれ。
少し口、開けて」
「……あ」
先程鶴紗に奪われたばかりの唇で
今度は鶴紗の唇を奪う。
開かれた口腔に、すぐさま舌を滑り込ませ
歯列を、歯茎を、顎裏の隅々まで腔内の全てを蹂躙する。
絡む舌先から滴る生温い液を更に絡め
鶴紗がそれを飲み下し、何度も喉が鳴るまで。
荒くなる鶴紗の息で、当たる私の頬が熱くなるまで。
どれ位それを繰り返したか、時を忘れそうになる程夢中だった。
ふと。
私の腕をそっと叩く鶴紗の手に気付き、ハッとして私は漸く離れた。
今度は切れぬ糸がだらしなく私達を繋いだまま。
「……ははっ、やっぱりイヤだったか」
私は苦笑した。
無理も無い、イヤがられても仕方が無い。
私自身が我を忘れる程に夢中だったのだから。
落ち着け、ちゃんと理性を取り戻せ、もう離れよう。
そう思って身体を起こそうとすると
伸びて来た鶴紗の腕が背に回され、抱き締められた。
「はぁ、はっ……違……息が、続かなくて……」
短く息をしながらそう言って、今度は深呼吸をした。
「どういう、肺活量してる、の……はぁ……」
「え?」
「キスで殺されるなんて、まっぴらだ」
そう言われて、それを聞いて。
2人で顔を見合わせ、照れながら笑ってしまった。
そうして笑い合った後
「これでもう、試さなくて良い?」
見透かされていたのか。本当にお前というヤツは……
「私のありったけ、鶴紗に全部やる」
「うん」
夜はまだ始まったばかりだ。
衣服の布ずれの音は、所在なく彷徨うシーツの乾いた音に。
時々聞こえていた小さな吐息は、頻繁に響く甘く切ない声に。
時時刻刻と変化して、私の理性を少しずつ削いで行く。
鶴紗の身体のどこかに指を這わせる度に
温かさと柔らかさと、そしてしなやかさに感動する。
どこかに唇を寄せると
今迄ふわりとしか香らなかった鶴紗自身の発する芳香に眩暈がする。
そのまま肌を味わえば
じわりと汗ばむ肌の、微かな鹹味(かんみ)に嬉しくなる。
「あっ……」
時折耳を擽るこの声をくれる場所の全てを脳に焼き付けて
ゆっくりじっくり、触れ逃す場所が無いように。
夜の、想像以上の短さは私を少し焦らせるけれど、ぐっと堪えて緩やかに。
私自身には何も触れても触れられてもいないのに、身体の芯が燃えるように熱く
反応される度に、じわりと証が溢れて来るのを感じて
こんなコトになるのかと、心の中で更に悦びに震えていた。
そうして辿り着いたその場所を
閉じる膝頭に手を置き、押し広げようとしたその時
脚に力を込めた鶴紗に阻止され、一度手を止めた。
鶴紗の頬に口付けて、その髪を優しく撫でてやる。
「うん、やっぱりイヤか……?」
そうでは無いと、ふるふると首を振られて
薄く開いた瞼から見える、潤んだ紅玉の瞳が私に問う。
「……私のからだ、変じゃない……?」
私の手を取るその手が少し震えている。
……そうだ。
こんな大切な事を失念していた私はバカだ。
それで今まで躊躇していたんだと漸く気付いた……
何度も改造の度に、おもちゃのように弄り回されたその身体を
誰に見られたいと思うものか。
例え傷跡の残らない身体だとしても、普通の女子に耐えられるものじゃない。
心の傷を推し量る事は出来ない。
不安そうなその顔中に
私は優しく、慈しむように口付けの雨を降らせる。
少し擽ったそうにしている鶴紗に
「鶴紗はただの、可愛い女の子だゾ」
一瞬キョトンとして、それから
花が開くように幸せそうに微笑む鶴紗。
そうして私の両頬を包み、額を合わせた。
こんなにも嬉しさを表に出す鶴紗は初めて見た。
こんな表情を見られて私も幸せだ……
無理に開け放つ必要も無い。鶴紗に触れられればそれで良い。
腹を手で下へとなぞり
閉じたままの脚から覗くほんの少しの隙間へ指を滑らせる。
触り心地の良い薄い茂みを掻き分け、柔らかい襞に触れたと思った瞬間
「あ……」
先に声を出したのは私の方だった。
予想以上に濡れそぼつソコは、指が蕩けそうな程熱かった。
「嬉しいなぁ……」
「なに、が?」
「気持ち良くなってくれてて」
「……ばか」
「あたっ」
伸びて来た手で軽く頭を小突かれて、痛くも無いのに声が出る。
「まいに触られたら……仕方ないだろ」
そんな表情で、そんなコト言うなよ。
「あっ!」
濡つ温みを絡めて、目立ち始めたそれを軽く擦ると
弾かれた様に身体が跳ねて反応する。
私は嬉しくて、無意識に舌なめずりをしてしまった。
本当は強引に広げて齧り付きたい。
でも。
これから続く、ほんのちょっと先の未来で幾らでも触れ合えるんだ。
楽しみは沢山あった方が楽しい。
差し入れた手はそのままに、再び鶴紗と向き合う体勢に戻り
薄く開いた唇に軽くキスをして
「鶴紗を、見てて良いか?」
ずっと、その瞬間まで見ていたいと
素直にそう思ったから言ってしまったけれど
一瞬で眉間に軽く皺を寄せ、その腕に頭を抱き包められてしまった。
私の眼前には、熱気まで伝わって来そうな位
真っ赤になった耳輪が、薄暗さの中でもはっきり見えた。
「ヤだ」
ふてくされたような声色で、私の耳元でそう答える。
まぁ……これならこれで良いかもしれないな。
互いの口許は今、互いの耳元に在る。
私の声も、お前の吐息も逃す事無く全て伝わる。
「梅を、いっぱい感じてくれ、鶴紗」
耳元にキスをして言うと
それだけでピクリと反応する鶴紗の身体が愛おしい。
更に密着するように力を込めて来る腕は
私を視界から遠ざけようと掻き寄せているようだった。
合わさる胸が、心地良い鼓動と物理的な興奮を直に伝えて来る。
なんて気持ちが良いんだろう。
「……もう、分かったから」
「ん」
「うあっ!」
そこからは私の、更に一方的で容赦の無い独壇場だ。
薄く覆われた部分を捲り上げ、露わにした中核を
想像以上に溢れ出て来る潤液を絡めて
痛みを伴わないだろう柔さで蹂躙する。
どんどんと掬い取れない程の潤みをシーツへと滴らせながら
甲高い喘ぎと共に、少しずつ力の抜けていく脚の感覚を手に感じて
そのまま腿を滑らせて膝裏を持ち、脚を割広げ
自分の身体をその間に滑り込ませた。
刺激すれば簡単にびくりと反応する腰を、自分の腰で押さえ付け
更に全体を掌で、自然に生まれる粘着質な音と共に蹂躙すると
耐えるようにまた私を抱き締める力を強くする鶴紗。
ふと。
背に回ったその手は握られて、まるでネコの手の様だと気付く。
「好きに、爪立てたって良いんだぞ?」
お前からの証なら幾らでも欲しい。けれど。
「まいが痛いの、イヤだ……はぁっ」
立てる程の爪なんか、最初から無いと私は気付いていたんだ。
手を繫ぐ時に見えていた手は、爪先まで綺麗に整えられていた。
抱き締めた時に首筋からソープの淡い香りがしているのも。
全ては私の為に。全てを準備して。
だから最初から私は、夢心地だったんだ。
自分の欲望を満たす為に、お前を喰おうとしている相手を
理性の焼き切れそうなこの状態でも尚
配慮しようとしてくるお前だから、鶴紗だから私は。
「好きだ鶴紗、好き……好きだ」
「まい……すき……まいっ」
喘ぎと共に、私の名を本能で呼び続ける鶴紗を片手で抱き締め
互いが互いの名前を耳元で囁かれ続け、脳内まで揺らされる。
痛みを伴う激しさよりも
ネコを愛撫し続けているような快楽だけを与え続けると
十分堪能した後に、鶴紗の反応が一気に変化した。
「そろそろ?」
「からだ、おかしく……なるっ」
「大丈夫だ、一緒に」
「まい、まい……」
喉の奥まで喰らい尽くす様な、深い深い口付けをして
お互いの舌を乱れ絡ませた後
一層跳ね上がった身体を、押さえ付けるように密着させて
私達は……ようやく気をやった。
想像以上の反応を見せて、疲れ切って眠った鶴紗の
髪を優しく梳いて、撫でて、触れていた肌を辿っていると
頬に触れた私の手に鶴紗の指が触れた。
「起こしちゃったか」
少し掻き分けて、見えた額にキスをすると
呆けたような表情をしたままお前は言う。
「これは……夢?」
それは私の台詞だろう。
あまりの可愛さに、心の中で苦笑しながら
ずっと願っていた夢が今、現実になったのだと思えた。
「現実だゾ」
ありがとう。
お前を好きになって良かった、鶴紗。
そうして私も、鶴紗と共に微笑んだ。
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管理人は。
両方の可愛さが表現出来れば、それで良いし十分なのです
ああもう可愛い、可愛いよ梅、可愛いよ鶴紗……(*´д`)ハァハァ
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